お浜「それでは、曲目の紹介です」
1.スウィート・ソング/microstar
2. How Does It Feel/Doopees
3.まばたき/ザ・ペンフレンドクラブ
4.hey boy/the courettes
5.ロックンロール・ブランクスター/Helsinki Lambda Club
6.抱きしめたら/kunmohile
7.remember/L⇔R
8.さよなら入り缶ジュース/有賀啓雄
9.「A面で恋をして」/NIAGARA TRIANGLE Vol.2
1.スウィート・ソング/microstar
お浜「マイクロスターは、ヴォーカル/ベースのP-chan(飯泉裕子)と佐藤清喜により1996年に結成されたポップ・ユニットです。カラフルなテクノポップ・サウンドから次第に’60年代ガールポップ、ソフトロックへとシフトチェンジし、2008年発売のファーストフル・アルバム『microstar album』は一部音楽マニアの間で絶大なる評価を受けました。この『スウィート・ソング』も『microstar album』からの1曲になります」
ロック「まさしくスウィートソング。ナイアガラサウンドという他ありまへんな」
お浜「『microstar album』には、渋谷系という他ない曲も3曲入っていますし、ときめきまくりです。二人は現在もマイペースながらポップスのマジックを探求する宅録ユニットとして活動を続けており、今年4月には『恋をするなら』がTBS系の新番組『ドーナツトーク』のエンディングテーマになっています。」
ロック「そんな番組まったく知らんけど、テレビのエンディングテーマになるくらいやから、マイクロスターにはもっとアルバムを出して欲しいでんな」
お浜「同感です」
2. How Does It Feel/Doopees
お浜「ドゥピーズは、ヤン 富田(70歳)がプロデュースした音楽の中だけに存在する架空の少女2人組です。1995年に発売された唯一のアルバム『DOOPEE TIME』は、一部の音楽好きに熱狂的に支持されました。次のペンフレンドクラブもこの『How does it feel』をカバーしていますが、オリジナルは1964年のThe Ronettes というニューヨーク出身の3人組女性歌手グループになります」
ロック「ドゥピーズ版の『How does it feel』は、さっきの『スウィート・ソング』の冒頭とそっくりでんな」
お浜「それくらい影響があるということです。ヤン 富田は日本で初めてのスティールパンドラムのプロ演奏家でもあり、音楽による意識の拡大をテーマに音楽の研究機関『オーディオ・サイエンス・ラボ』を主宰しています。1989年、日本で初めてのラップアルバムいとうせいこう『MESS/AGE』をプロデュースし、すべてのトラックを作成したのもヤン 富田です」
ロック「まさに、音楽の革命児といったところでんな」
3.まばたき/ザ・ペンフレンドクラブ
お浜「ザ・ペンフレンドクラブは2012年に平川雄一により結成された現在は7人組のグループです。今年9月には8枚目のフルアルバム『The Pen Friend Club』を発売しましたが、この『まばたき』は2018年に発売された4枚目のフルアルバム『Garden Of The Pen Friend Club』に収録されています」
ロック「これはまた、60年代サウンド満開でんな。大滝詠一に影響を受けたというより、大瀧詠一が好きやった音楽に影響を受けたって感じでんな」
お浜「まさしくその通りです。どのアルバムも、隅々まで60年代サウンドが展開されています。まさしく、フィル・スペクターの『ウォ―ル・オブ・サウンド』ですね」
ロック「フィル・スペクター?ウォ―ル・オブ・サウンド?なんでんねんそれ?」
お浜「フィル・スペクターは音楽プロデューサー、ウォ―ル・オブ・サウンドは音の壁、楽器やコーラスを幾重にも重ねるサウンドのことです。フィル・スペクターのプロデュース手法が、60年代サウンドになったわけです。ザ・ロネッツは60年初期を代表する女性グループですが、もちろんフィル・スペクタープロデュースです」
ロック「音の壁でっか。それでザ・ペンフレンドクラブにはようけメンバーおるんでんな」
お浜「まぁ、そういうことでしょう」
4.hey boy/the courettes
お浜「ザ・コーレッツは、ギター、ピアノ担当のブラジル人フラヴィアと、ドラム、パーカッション担当のデンマーク人マーティンの二人ユニットです。そこにプロデューサーでもあるセーレン・クリステンセンのキーボードが加わり、キラキラしてヴィンテージなポップン・ロールの世界へと誘います」
ロック「こりゃまた60年代としか言いようがないサウンドでんな」
お浜「ですね。ザ・コーレッツは、今年2月、サード・アルバム『バック・イン・モノ』でついに日本デビュー果たしましたが、『hey boy』も『バック・イン・モノ』に収録されています」
ロック「ザ・コーレッツもザ・ペンフレンドクラブ同様、大滝詠一に影響を受けたというより、大瀧詠一が好きやった音楽に影響を受けたって感じでんな。ウォ―ル・オブ・サウンドでっか」
お浜「ですね」
5.ロックンロール・ブランクスター/Helsinki Lambda Club
お浜「ヘルシンキ・ラムダ・クラブは2013年に千葉で結成されたスリーピースのロックバンドです。ザ・ストロークスやザ・リバティーンズに影響を受け、『単純にグッとくる曲を作ろう』と活動をスタートさせました」
ロック「こないだ大阪城公会堂のフェスでライブ観たけど、フィッシュマンズみたいな曲もやっとったし、影響を受けた音楽の幅広さを感じたな。この『ロックンロール・ブランクスター』は60年代のロックに影響を受けとるんやろけど、『ロックンロール・ブランクスター、ハイリハイリホー』ちゅうベースの低い声は思わず口ずさんでまうな」
お浜「俺もです(笑)。今年7月にはサードミニアルバム『Hello,my darkness』を発売しましたが、この『ロックンロール・ブランクスター』は2018年に発売されたセカンドミニアルバム『Tourist』に収録されています」
ロック「ロックンロール・ブランクスター♪ハイリハイリホー♪」
お浜「完全に中毒化してますね(笑)」
6.抱きしめたら/kunmohile
お浜「クンモハイルは2020年4月結成された4人組のバンドです。今年9月にファーストフルアルバム『KUNMOHILE』を発売しましたが、この『抱きしめたら』も『KUNMOHILE』に収録されています」
ロック「こりゃまた、もろにナイアガラサウンドでんな」
お浜「ですね。細野晴臣系統と言いますか、懐かしさを感じるサウンドがアルバム全面に敷き詰められています」
ロック「グソクムズ、ポニーのひさみつ、家主、たけとんぼ、安部勇磨なんかもその流れでっけど、最近の潮流の一つなんかもしれまへんな」
7.remember/L⇔R
お浜「エルアールは、1991年にデビューした黒沢兄弟を中心としたスリーピースバンドですが、1992年から3年間は小山田圭吾の元嫁嶺川貴子も在籍していました。この『remember』は、1994年に発売された5枚目のシングルになります」
ロック「また懐かしいところを急に引っ張り出して来たな。久々に聴いたけど、やっぱりエルアールって60年代ロックの体現者でんな。確か、黒沢兄弟の一人は亡くなっとったよな」
お浜「兄の健一ですね。2016、脳腫瘍により48歳で亡くなっています。 25周年を記念して再始動の話も出ていただけに残念です」
8.さよなら入り缶ジュース/有賀啓雄
お浜「有賀 啓雄(58歳 )は東京都出身の日本のシンガーソングライターです。この『さよなら入り缶ジュース』は1987年に発売されたファーストフルアルバム『sherbet』に収録されています。山下達郎大絶賛のアルバムでもあります」
ロック「山下達郎が大絶賛ちゅうのも分かりまんな。60年代サウンド全開でめっちゃええでんな」
お浜「はい。アルバム通して良いのでもっと評価されるべきだと思います。絶版になってますので、明日にでも再発になればと思っています」
ロック「明日か――ちょっと聞いてみるわ」
お浜「誰にですか?(笑)」
9.「A面で恋をして」/NIAGARA TRIANGLE Vol.2
お浜「ナイアガラ・トライアングル ヴォリュームツーは、1982年に発売されたナイアガラ・トライアングル通算2作目のスタジオ・アルバムです。大滝詠一が当時はまだ新人だった佐野元春、杉真理を誘って実現させたアルバムになります。『A面で恋をして』はナイアガラ・レーベルとしては異例の大ヒットをしました」
ロック「これぞまさしくナイアガラサウンドでんな」
お浜「大滝詠一本人の作曲ですからね(笑)」
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